「保険診療と自費診療(自由診療)は何が違うのだろう?」と疑問に思われる方は少なくありません。日本の国民皆保険制度は、誰もが「安価に痛みを取り、最低限の生活機能を回復できる」という点において非常に優れた医療インフラです。
しかし、現在の歯科の保険制度がカバーしている領域は、現代の歯科医学に存在する膨大な治療プランや材料の選択肢のうちの「ほんの一部分」にすぎません。
また、保険のルールにおいて、被せ物は「2年」、入れ歯は「半年」持てば、制度上の責任や維持管理の基準は果たしたと見なされる仕組みになっています。つまり、国が定めた保険診療のルールは、「一生涯おいしく食べ続けること」までを想定して設計されているわけではない、というのが今の歯科制度の現実なのです。
当院の「時間」への姿勢と、症例に応じた選択
現在の歯科医療では、世界的に高い治療成績が報告されている先進的な材料や精密な治療であっても、制度のルール上、保険診療では選択することが認められていません。また、一般的な多くの歯科医院では、保険診療において1人あたり15分〜30分程度の短い枠で処置を進めざるを得ない現状があります。
しかし当院では、たとえ保険診療であっても丁寧な診査・診断と手順を実践するため、最低でも40分の診療枠を確保し、制度の枠組みの中でできる限りの治療を行います。
もちろん、比較的軽症なケースや、お口全体の崩壊リスクが低い状態であれば、保険診療の範囲内でも十分に良好な結果を得られる場合は多々あります。必ずしも「自費診療のすべてが絶対的な正解」と言いたいわけではありません。ですが、重症化してしまったケースや、一生涯にわたってお口全体の環境を守り抜こうとする時、制度上の「素材」と「時間」の壁に突き当たることがあります。
繰り返される再治療のサイクル(負の連鎖)を断ち切るために
一度むし歯になった歯を削して詰めると、数年後にその隙間から再発し、さらに大きく削って被せ物になり、やがて神経を取り、最終的には歯根が破折して抜歯に至る――。私たちは、この「繰り返される修復サイクル(負の連鎖)」を、どこかで断ち切らなければならないと考えています。
私たちが自由診療(自費診療)という選択肢をご提示するのは、単に高い材料をお勧めするためではありません。
「十分な時間」「知識・技術」「理想的な素材」
この3つの要素をしっかりと掛け合わせることで、何度も同じ場所の再治療を繰り返す負担や、将来的に大切な歯を失ってしまうリスクを抑える環境を整えることができます。
まとめ
何度も同じ場所の治療を繰り返してほしくないからこそ、お口の将来を長期的な視点で見据えた「自由診療」という選択肢もフラットにご提示すること。それこそが、選択肢の幅を広げ、未来の健康を守るための誠実なアプローチであると考えています。
お一人おひとりのお口の状態 ご要望に合わせて最適なプランをご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
※診査・診断に基づく全顎的な補綴治療は自由診療となります。ご要望やお口の状態に応じて、保険診療の範囲内での適切な機能回復も誠実に対応いたします(完全予約制)。