2026/8/4に開業予定です。7/31~8/2に内覧会を実施します。

「毎日磨いているのに、なぜ進行するのか?」
科学的根拠(エビデンス)に基づき、原因にアプローチする包括的歯周病治療
歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因です。しかし、むし歯のような痛みが起きにくいため、静かに、じわじわと進行することから「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」と呼ばれています。当院では、単に「歯石を取る」だけのその場しのぎの治療ではなく、「なぜ悪くなったのか」という病因論に基づき、一口腔単位(お口全体)を捉えた精密なプログラムをご提供します。

病因論:なぜ歯周病になるのか?

お口の中の「細菌バランス」と「免疫」の崩壊

私たちの口腔内には300〜400種類もの細菌がバランスを保って共生しています。健康な状態であれば、これらは悪さをしません。

しかし、プラーク(歯垢)が蓄積して「バイオフィルム」という細菌のコミュニティが形成され、さらに患者様ご自身の「抵抗力(免疫)」とのバランスが崩れたとき、歯周病が発症・進行します。

特に、歯周病の主犯格である「P.g.菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)」などの悪玉菌が増殖すると、周囲の大人しい細菌まで巻き込んで病原性を一気に高め、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始めてしまいます。

【科学的根拠】治療をしないとどうなるか?(スリランカでの長期研究より)

世界の歯科医学界で有名な「スリランカの茶畑労働者を対象とした40年以上の追跡研究」によると、まったく歯周治療を行わなかった場合、約8割の人が「ゆっくりと、しかし確実に」歯周病が進行し、約8%の人は「急速に進行して若くして多くの歯を失う」という明確な事実が証明されています。歯周病の進行度には個人差がありますが、「放置して自然に治る」ということは科学的にありません。早期発見と、個人のリスクに合わせた適切な介入が不可欠です。

総合診断から治療へのフロー

当院が徹底する「5つのステップ」(EFP:ヨーロッパ歯周病連盟ガイドライン準拠)

当院では、感覚を頼りにした治療は一切行いません。まずは規格性のある口腔内写真(5枚写真)や一口腔単位での総合検査を行い、現在のステージ(進行度)を精密に診断した上で、世界的な学術基準に沿ったステップで進めます。

【STEP 1】精密診査・包括的診断

【STEP 2】初期治療(原因除去・お口の環境づくり)

【STEP 3】非外科的歯周治療(徹底的な根面のデブライドメント)

【STEP 4】再評価検査    ▶(必要な場合のみ)高度専門治療

【STEP 5】リスク管理型のメインテナンス(SPC)

STEP 1:精密診査・包括的診断(すべてはここから始まります)

まずはお口全体の検査を行います。

      • 規格性のある口腔内写真: 現状を客観的に記録し、変化を追うためのベースラインとします。
      • 歯周ポケット検査: 歯周ポケットの深さと、炎症の有無(BOP:出血)を測定。
      • PCR検査:汚れ(プラーク)付着の状態をチェックします。
      • レントゲン・デジタル診査: 骨の溶け方(垂直性か水平性か)や、歯の動揺度、咬合(かみ合わせの負荷)を総合的に分析。

STEP 2:初期治療(バイオフィルムのコントロール)

歯周病を治す主役は、「毎日の正しいブラッシング」+「プロによる機械的除去」です。

      • 口腔衛生指導(OHI): リスクに合わせた最適な道具(歯ブラシ・歯間ブラシ等)と動かし方を提案・指導。
      • 専門的機械的プラーク除去: 歯の表面のバイオフィルムを徹底的に落とします。

STEP 3:非外科的歯周治療(SRP:スケーリング・ルートプレーニング)

歯茎の奥深く(歯肉縁下)に入り込んだ頑固な歯石やバイオフィルムを、専門の器具(ハンド・超音波スケーラー)で丁寧に取り除きます(根面デブライドメント)。

STEP 4:再評価検査 ➡ 自費の高度専門治療(自由診療の選択肢)

初期治療・SRPの後に、再度ポケットの深さと炎症(出血)を精密にチェックします。 基本治療で改善しなかった場合(深いポケット(6mm以上)が残り、炎症(BOP)が持続している部位)は、そのまま放置すると将来的に高い確率で歯を失うリスクとなることがスイス・ベルン大学の長期研究でも示されています。 この「基本治療だけでは取りきれなかった進行部位」に対し、当院では自由診療(自費)による高度な専門治療を選択肢としてご提案します。

      • 歯周組織再生療法(自費診療): 破壊された歯槽骨や歯周組織を再生させるため、バイオマテリアル(エムドゲインやリグロスなど)を用いた高度な外科手術を行います。

STEP 5:リスク管理型のメインテナンス(SPC)

治療の最終ゴールは「炎症が制御された状態を長期に維持すること」です。一人ひとりのリスク(細菌の量、喫煙、糖尿病などの全身疾患)に応じた周期で定期健診(サポーティブペリオドンタルセラピー:SPC)へ移行し、生涯にわたってご自身の歯を守り続けます。

歯周病と全身疾患の深い関わり:お口の炎症が血管を通じて全身へ

近年の研究により、歯周病は単にお口の中だけで留まる病気ではなく、歯周病菌や炎症物質が血管を通じて全身を巡り、多くの重大な全身疾患を引き起こしたり、悪化させたりすることが科学的に証明されています。

  • 糖尿病(相互に悪化させ合う関係): 歯周病は「糖尿病の第6の合併症」と言われています。歯周病による炎症物質がインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを阻害し、血糖値をコントロールしにくくさせます。逆に、適切な歯周治療を行うことで糖尿病の指標(HbA1c)の数値が改善することも分かっています。
  • 循環器疾患(心疾患・脳梗塞): 血管内に入り込んだ歯周病菌は、動脈硬化を促進させ、血管を狭くするプラーク(血栓)を作ります。これにより、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが数倍に跳ね上がることが指摘されています。
  • 認知症(アルツハイマー病): 近年の研究では、アルツハイマー型認知症の方の脳内から歯周病原因菌(P.g.菌)の成分が検出されています。歯周病による慢性的な炎症が脳内に異常タンパク質を蓄積させ、認知症の発症や進行を加速させるリスクが明らかになっています。
  • 関節リウマチ(炎症の悪循環): 関節リウマチと歯周病は、どちらも骨や組織を破壊する「慢性炎症性疾患」として深い共通性があります。特に歯周病菌(P.g.菌)が持つ特有の酵素がリウマチの引き金となる物質を体内で作り出し、関節の痛みや炎症を悪化させることが判明しています。
  • 妊婦の方へのリスク(早産・低体重児出産): 妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周病のリスクが高まります。歯周病菌が子宮の収縮を促す物質を刺激するため、早産や低体重児出産の確率がタバコやアルコールよりも高くなるというデータがあります。

まとめ

歯周病は、正しい科学的ケアで守れる病気です 「手遅れになって歯を失う」という悲しい結果を避けるために、まずは精密な検査でお口の現状を科学的に把握することから始めませんか?当院では、お一人おひとりのお口の状況やライフスタイルを詳しくお伺いし、歯科医師と歯科衛生士が強固に連携して、最適な治療と予防プログラムをご提供いたします。どうぞお気軽にご相談ください。